LOW
- side-A
- 01. Speed Of Life
- 02. Breaking Glass
- 03. What In The World
- 04. Sound And Vision
- 05. Always Crashing In The Same Car
- 06. Be My Wife
- 07. A New Career In A New Town
- side-B
- 08. Warszawa
- 09. Art Decade
- 10. Weeping Wall
- 11. Subterraneans
電子音楽のシュルレアリスム
PL1-2030
CPL1-2030(US)
UK 1977 Original
ドラッグ漬けの肉体と精神のリハビリにベルリンを目指したボウイは、それでも音楽創作に執着した。クラフトワークに代表されるジャーマン・テクノや電子音楽の影響やブライアン・イーノの実験精神に遭遇したこと、それにヨーロッパ回帰というそれぞれの要因は大いに語られるべきで、『Low』のサウンドの鍵といえばその3つだろう。
また収録された楽曲の半数がインストゥルメンタルであったこと、エレクトロ・サウンドの構造や展開にレコード会社RCAは難色を示したといわれており、さらにドラッグを絶つために極限に近い精神状態という追い打ちをかけられながらリリースまで漕ぎつけたことも強調しておきたい。
イーノとの共同作品と称されるが、プロデューサーはトニー・ヴィスコンティであり、イーノは鍵盤類と仕上げに一役買ったに過ぎない。ただ、アナログB面のインストゥルメンタル4曲はいずれもイーノのアンビエント志向とボウイの頽廃趣味が織り交ざって仕上がったものと思われる。
93年にはフィリップ・グラスによる交響楽『Low Symphony』として甦ったし、02年のメルトダウン・フェスティヴァルのステージでは全曲が演奏されるといったエピソードも加えておこう。
オリジナル・リリースのアナログはリア・ジャケットのトラックリストがステッカーで貼られ、一面オレンジ色という簡易さを際立たせる仕様だった。ジャケット写真も『地球に落ちてきた男』のスチールの流用。
91年の再発版CDにはボーナス・トラック3曲が追加されているが、現行のデジタル・リマスター盤には収録されていない。
- S+V (91 Reissue Catalog) Series Bonus Track
- 01. Some Are
- 02. All Saints
- 03. Sound And Vision (Remix Version)